はい。少し真面目な話をしましょう。
当クリニックが施行している内視鏡の
鎮静剤投与下検査は、既に、
多数の施設で行われています。
私自身も数十年前に
研修医時代、大学病院などで
鎮静剤の使用方法を学んだのだから、
ある意味で既に完全に陳腐化している
とも言えます。
しかしながら、なぜ、今日まで多数の
医療施設でわざわざ、このメソッドで
やります、と宣伝しているかですが、
未だに鎮静剤投与法をしないで
検査している施設も国内に
多数存在していることが
一つ理由があります。
鎮静剤を使用した後、自転車、バイク、
自動車の運転を丸一日は
休まなければなりません。
理由は、検査後ある一定確率で
酔っ払い運転みたいになり、
対物対人事故が起きてしまうからです。
大都市ならば電車、タクシーが
たくさん走っていて、検査前後の
自宅〜クリニック間の移動は非常に
容易ですが、地方自治体の特定エリアでは電車がない、、あるいは電車の運行本数も少なく、タクシーも呼ばなければ来ないような場合も少なくない。
その為、家族一名に1台の車を保有している、という地域が成立しています。
そうなると、患者さんの中には、
車を運転できないなら、
面倒臭いから鎮静剤投与下
内視鏡検査なんか
したくない、と思う方も出てきます。
そして、集患数が減るのを
恐れて鎮静剤の使用をためらう
医師が必ず出てきてしまう。
なおかつ、昔から今日まで、
延々と内視鏡学会で論争に
なってますが、、
鎮静剤の使用は危険だから
ダメだ、とする派のロートル
重鎮医師らの
存在もありますww
そうした方をボスに持つと
権威に阿る部下が出現します。w
結局、覚醒したまま検査をせざるを
えなくなります。
かつ、挿入法をマスターしきれていない
まま行うと、患者にとって苦痛に満ちた
検査になります。😞
このような体験を持つ患者が知人に
内視鏡検査は、非常に辛いものだ、と
次々と伝えていきます。
この伝聞が無限ループになって、現在も
内視鏡?しかも大腸内視鏡?
絶対にいやだ、と、
なってしまうのですね。w
私は開業するにあたり、
こうした日本の現状をふまえ、
開業候補地域を地方僻地から
消去していき、電車、タクシーが
ふんだんに利用できる大都市圏地域を中心に
探したのでした。w
つぎに、鎮静剤は、
それ単剤では、痛みは取れません。
大抵の場合、患者さんは、
緊張と不安に満ちた表情で
検査ブースに入って来ます。
例えば、大好きな旧友に
街でバッタリ出会うとします。
後ろからぽん、と肩を叩かれた時、
振り向いたら、旧い親友だった!ならば
嬉しさが溢れ出てきます。ww
しかし、身も知らずの輩に、
同じ圧力、衝撃スピードで
肩を叩かれたとしても、
かなりの確率で、貴方は、その
者に不快感を感じるに違いありません。w
医師と患者の関係とはいえ、
一度二度しか面談してない
浅い関係であるからして、
鎮静剤は、こうした事前の緊張、
不安といった負の感情を
まず取り払う為に私は使います。
次に、鎮痛剤、を併用します。
多くの施設で、ペチジン塩酸塩、
ソセゴン、レペタン、などを
各施設で使い分けています。
これらを使用すれば
完璧か?と、いう今回の本題に
やっと到達しましたね。w
特に大腸内視鏡検査の難しさは、
胃のそれよりも数倍違います。
大腸には区分があります。
模式図では、簡単に見えますが、
我々が住む街も、各エリアで道幅、
カーブの有無、坂の有無が違うように、
個人個人の大腸は、長さや、
カーブの状態に
多数のバリエーションがあります。
なおかつ、同じ職場に向かうにしても
暑い夏の日、雨の日、雪の日によって
通勤時間が変わるように、
患者本人の毎回の検査時の腸の
中の状態、カーブ形態も変化するのです。
医学的にいうと、前処置の状態、
老化に伴う腸管長に変化が
生じてくる事があります。
解剖学的には、S状結腸と横行結腸は、
ブラブラと緩く腸管膜で支持されているに過ぎず、腹腔内で自由に動きます。
まるで吊り橋のように、
揺れているイメージです。
下行結腸と上行結腸は、後腹膜に固定されています。真っ直ぐなトンネルのように
通過は容易です。
大腸内視鏡検査で最も重要なのは、
いかにブラブラになって不安定なままの
S状結腸と横行結腸内をスコープを
進めていくか、であります。
難しいシケインと真っ直ぐな
道でギアシフトとハンドル操作が
必要なニュルブルクリンクを行くような
ものと同じ事になります
大腸内視鏡修行に身を投じる
初期研修医
あるいは、正式なる訓練を受けずに
なんちゃって独学で
施行してきただけの医師群の
ほとんどがこのS状結腸区域を
キレイに通過出来ず、S状結腸をいたずらに
スコープ自体で伸ばしまくり、
ファイバースコープ先端から
送り出される空気でパンパンになるまで
腸管を拡張してしまうから、挿入が
無理になるのであり、
その未成熟なスキル故に
患者を苦しめているのです。
腸管内で、送気量を悪戯に多く
してしまい、スコープが
立ち往生をしている場合、
意味不明なまでにスコープ先端部分を
業界用語"赤玉"のまま、、
つまり、全く観察管腔スペースが
確保されていないにもかかわらず、
粗雑に操作する場合、
どんなに鎮静剤、鎮痛剤を
使っても、患者は、楽になりません。
現在は、車なら、マニュアルギア式
はほとんど見なくなりました。
オートマ限定免許で充分なくらいです。
しかし、それでも"プリウス ロケット"
と揶揄されるように、大事故は
なくならない。
航空機✈️も完全なる
運行前点検しても
素人が飛ばそうとしたら、
間違いなく墜落するのです。
つまり運転操作者の技術が未熟、
知識が不十分である場合は、どんな
ハードウェアが最新型で用意されていても
全く上手くいかないのです。
一番大切な事は、
貴方の担当医がどのような施設で
修行してきたか、臨床実績を
聞いてみたら良いのです。
大学附属病院、基幹病院に
行くと、施設の看板は大きく、一見
信頼できそうですが、大半の医師は、
経験症例が少ない若い医師が8割となります。
医師の若手とは一般業界とは違い35歳前後でもまたまだ"若手"扱いとなります。苦笑。
そして、当院のようにYouTubeで
実際の内視鏡操作シーンを公開する
など、客観的エビデンスで実力証明が
出来ている医師、施設であるか?
当院の周辺クリニックではそうした
証明をしている所は、ほとんどありません。
内視鏡検査治療技術は、
知識のみならず、"実務完遂能力"
の証明が最も重要です。
Comments