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執筆者の写真Jun Kondoh

経鼻内視鏡でも辛い人がいる理由

更新日:2022年4月30日




巷では、経鼻内視鏡は、経口内視鏡より

楽!を宣伝している医療施設は多い。


しかしながら、一定数の患者さんは、

やはり、経鼻内視鏡であっても辛い!

痛い!苦しい!という感想をもらします。


理由を考えていきます。


①経鼻内視鏡を、従来経口式検査を経験した方々の間で行ってみると、かなり楽だと感じる方が相当数存在します。


これはあくまでも"相対的な感想"です。


たった一日のスポット アルバイト業務を

初めて経験する方は、あるいは新卒一年目の方が社会人としての礼儀作法に慣れない中、一日働くのは精神的、肉体的疲労は、相当なものになるでしょう。


しかしながら、毎日毎日24h働けますか?とかつて宣伝CMがあったように日本のサラリーマン、あらゆる業態のベテラン一般社員から見たら、たった一日短時間働くだけなのに、何を言ってるんだ?w

と、いうのと近いかもしれません。


内視鏡は、ディズニーランドのアトラクションを何度も楽しみたいようなものでは決してない事だけは確かだと思います。


②経鼻内視鏡の最初の障壁は、鼻腔内の麻酔と、鼻内腔を拡張し、実際のスコープが

通過しやすくする"前処置"行為が必要な事です。



画像は、現在用いられているテストチューブと呼ばれる製品群です。


最初に、アレルギー性鼻炎に用いられる

鼻充血を軽減する点鼻薬を使用します。


鼻粘膜に対して血管収縮剤と言われるスプレー薬剤です。中鼻甲介、下部甲介に存在する微小血管を収縮させ、

結果、甲介の体積を縮小させます。

鼻の内腔を拡張させ、スコープ通過可能とさせる第一歩となります。



つぎに、局所麻酔剤入りゼリーを

鼻腔内に注入します。


最後に鼻腔スペースを補助拡張する為、同時に鼻の通過性をテストする意味で、

大抵は看護師さんが貴方の鼻の穴に

チューブを挿入していきます。


挿入時には、看護師さんは、

鼻の中の形状を直視できないので、

あくまでも、手の感覚に頼りながら、

盲目的にチューブを挿入していくこと

になります。




医師、看護師さんが正しいベクトル方法で

テスト チューブを挿入しない場合、

あるいは、患者さんの鼻内腔に適したチューブ サイズを選んでいない場合には、

この段階で、既に、相当に辛い、、、

痛くてしょうがない、というリアクションが生まれてしまいます。




盲目的に挿入されるチューブの鼻腔内での摩擦や圧力抵抗は、"手の感覚"に依存しますから、ナース個人の熟練度によって、相当に違う。


そして、かなり鼻腔が狭い構造の患者さんの場合、チューブが当たったり、

強く擦れることにより

出血してしまう合併症が散見されます。


患者さんからクレームを受ける事もある

ナースは、たまったものではありません。


この前処置法は、ナースにとっては

相当ストレスがありますね。


上記の方法をスティック法と呼びます。



この辛いやり方をなんとかならないか?

と考えた医師たちにより開発された

方法があります。


ノンスティック法です。

(注入法、スプレー法と呼ばれる場合も

あります。)



(画像は鼻腔点鼻スプレーの一例)


鼻内腔に対するスプレーまでは基本的に

同じです。


違いは前処置最終段階でのテスト チューブを挿入しないで検査へ入ることです。



現在は、このスティック法と

ノンスティック法はどちらが

より辛くないか?を調べる

研究が先進施設を中心に進んでいます。






前処置法は施設により違いがあり、

一定のやり方はありません。


当クリニックではエビデンスデータを

分析し現状、ノンスティック法を

採用しています。


テスト チューブを入れなくても

スコープ本体のカメラから、

左右の鼻腔の状態を"相見積もり"を

確実に行ってから、進入経路を

決定しています。🤗












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