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執筆者の写真Jun Kondoh

大腸内視鏡挿入困難例について

更新日:10月4日


今回は大腸内視鏡検査のお話。



他院で大腸内視鏡を受けた事があるが、

高度肥満である、腸管が非常に長いを

理由に大腸の起点である

盲腸までスコープが到達不可能となり全結腸の観察が出来なかった、あるいは、非常に時間がかかり、非常に苦しかった、痛かった、、


こちらのクリニックでなんとか大腸内視鏡を

楽にできますでしょうか?というご相談の方が、しばしば、いらっしゃいます。


通常、臨床経験豊富な内視鏡医ならば

肛門から盲腸までの到達時間は5分から10分以内と言われています。


私が若き頃、厳しい訓練、修行した

大腸肛門系専門病院2施設の(神奈川県 松島病院、千葉県 辻仲病院)場合、

当時の内視鏡担当専門医師らの場合、

10分経過しても盲腸に到達出来ない症例を

"挿入困難なケース"として扱われていました。


大腸内視鏡挿入困難例には

いくつかのタイプがあります。


①開腹手術後に腹腔内で腹壁と腸管や

腸管同士が癒着を起こしてしまっているケース

(例 虫垂炎術後、古典的開腹手術後)


②骨盤腹膜炎や大腸憩室炎を過去に複数回

経験していたりして腸管内腔が炎症による

効果によりかなり狭くなってスコープが

通過困難な場合



③過剰に長い腸管を有する症例の場合


 65歳以下の場合、大腸の長さは

 通常1.0m以下、65歳以上となると

 次第に腸管はダラんとゴムが伸びていく

 ように1.5m以上となっていく傾向が強まり

 2mを越えていくケースがあります。


大腸内視鏡標準タイプのファイバースコープは大半の大腸の長さに合わせて1.6m長に

設計されていますが、



こうした過長腸管の症例に対しては

個別に2m長の長刀のようなロング 

ファイバースコープを特別に準備して

検査に臨む事もあります。



④相当なる肥満体型である場合




今回は特にこの④に属する方々について

詳しくお話しします。


大腸の長さは、人種に関係なく、

一般的におよそ100cm-150cm程度で

あるという統計データがあります。


肥満の方々は、腹腔内スペースが広く

しばしば、腹壁、腹筋の強度も弱まっており、

大腸がだらん、と伸びきっているような

状況です。正に先にお話した内容です。


大腸(結腸)は、お腹の中では、

固定されて位置しているのは上行結腸と、

下行結腸と呼ばれる区分のみであり、

横行結腸とS状結腸は、ブランブランに

不安定なままの吊り橋のような

状態になっています。


安定固定されていない腸管内をスムーズに

ファイバースコープを通過させる技術は

相当に難しく、スコープを押入れても腸管内で撓んでしまい、なかなか先進しないという

現象に陥ります。


大腸内視鏡操作法の極意とは、

この長く撓みがちな大腸を操作中に

"短縮化"という手技を行います。


この手技は、腸管が短い、長いに関わらず、

全症例に必ず実践される基本中の基本であり、

"短縮化"に始まり、"短縮化"に終わる技です。


これがキチンと出来ない医師による

大腸内視鏡検査は非常に辛いものになります。





マスターレベルの内視鏡専門医師の

先生方がいる病院、クリニック群は

ほぼこの技術を完全理解して、

実践していらっしゃる。


過去、他院で盲腸まで

ファイバースコープが

到達しなかった方、、

非常に長い時間をかけて検査されて、、

辛かった、とい体験をお持ちの方は、

是非、当院までご相談下さい。














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