私は消化器一般外科出身の
クリニック医師になりました。
先日初診の患者さん数名が
当クリニックを外来受診してくれた際、
問診時"先生、私のような手術が
必要でない内科系疾患も診てくれますか?"と、質問して下さいました。
当クリニックのHP内、自己紹介ページにも書いてありますが、当然、手術が必要でない方も担当を喜んで承ります。
外科医とは単に手術をするわけでは
ありません。
私たち外科医も、外来初診で
患者さんたちから
お悩みを具に聞き取りします。
がんセンターや大学附属病院のような巨大な施設の場合、他施設、内科での診断が既についた症例の紹介を受けて、
それに対して、どのような術式が最適か、を勘案していく事も多いのですが、、
貴方の家の最寄りの
病院で外科外来を受診したとしたら、
大抵、普通に内科医同様に、初診時に
お悩みを一点一点聞いてくれるはずです。
お話を聞いて、その方に、先ず
どんな検査が必要か?を検査選択をしたら、内科医同様に診断を下します。
薬物療法、すなわち、内服薬や注射剤で
完治が期待できる疾患ならば、それらを
選択します。
そうした非侵襲的な治療法で治らない
状況であれば、最終手段として
全身麻酔下での大開腹手術など大鉈を
振るわざるを得ない事があります。
私たち外科医は、内科診断の下、
非侵襲的治療の上で治らないような病態に対してメスや、針を使い、物理的に手を動かして、の治療を選択し最終手段を講じる拡張機能をひとつ有する存在でしかありません。
逆に現在では、内科と名乗る医師であっても、侵襲的治療を行います。
循環器科、脳神経内科においては
カテーテル治療もします。それは大手術ではないにせよ、ミクロ レベルでの大いに侵襲的治療となり、最新の注意と
熟練の技を要します。
透析科の医師は、かなり大型の透析機器を
用います。
精神科の医師も、薬物療法に加え、
全身麻酔下での電気ショック療法を
行う者がいます。
救急担当医は、内科、外科の境界を越え、
開胸心マッサージをしたり、気管切開をし、ECMOを挿入したり、
人工呼吸器をコントロールしたりします。
今一度申し上げますが、海外では、外科医は手術だけを行い、術前、術後管理は、
専属の内科医が担当することが多いようですが、我国においては外科医が初診から、検査、診断を行い、手術前後を通して高血圧、糖尿病、気管支喘息、腎不全の透析、抗がん剤治療、末期がんに対する緩和療法 etc、、全てを管理している先生方は非常に、、非常に多いのです。
私は、そうした我国の外科医の一人であることを誇りに感じています。
我々は外科医も内科医も、その能力がある、という条件下では、
もはや何でもやらなければ
ならないのです。
現代医師の世界はボーダーレスです。
どうぞ、当クリニックへ
内科疾患の方も安心してお越し下さい。
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