最近、健診施設で便潜血"陽性"の結果報告を
受けて、当院初診へご相談下さいます患者さんはますます増加しています。
まず便潜血とは何ぞや?を解説します。
もしも貴方が明らかに肛門から出血して
いるのに気がついたら、おそらく
この異常事態に対してすぐに
専門クリニックあるいは、
病院の診察予約を希望するでしょう。
人間の肉眼では認識できないレベルの
微量な出血成分が便の中に含まれているか?
を調べるのが便潜血検査です。
これを利用して我が国では大腸癌健診の
最初のスクリーニング検査としており、
陽性の結果を受けた方々は下部消化管内視鏡
検査(大腸カメラ)による精密検査の適応となります。
便潜血陽性の報告を受けて、心配そうな
表情で"先生、私は大腸癌なんでしょうか😭?"
と質問してくださいます方はしばしばいらっしゃいます。
便潜血検査を受けた方々全員から
検査結果が陽性になる方は5%前後、
最終的に実際に進行大腸癌が見つかる確率は、0.1%前後と既に統計学的に
解析がされております。
簡単に考えると便潜血陽性の方から進行大腸癌が見つかる方は、2-3%となります。
よって、便潜血陽性だから、と言って
すぐにパニックになる必要はありません。
冷静に精密検査を受けて頂きたく思います。
では大腸カメラをして大腸癌ではない場合、
どんな診断になるかですが、、
便潜血が"微量出血"を検出する検査であることを今一度申し上げます。
出血を来たしうる病変が全て当てはまります。
いぼ痔、切れ痔、と呼ばれる
正式な診断名では痔核、裂肛の存在が
あったり、大腸憩室と呼ばれる大腸の壁に凹みがある方、大腸ポリープ、出血を来たしうる腸炎(感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、
クローン病など)"全て"が
理論上、当てはまります。
便潜血陽性報告だけでは
原因はすぐ明確には言えません。
例えるならば、
会社の収益が落ちた原因は、
支社が複数あり、営業部門、広報など
多数部門がある場合、すぐにどこが原因であるかを決めつけられない事に等しい。
百聞は一見にしかずであります、、
便潜血陽性の方で今まで大腸カメラを
経験した事がなし、と言う方は、
大腸内視鏡検査を強く推奨します。
逆に、、
便潜血陽性>今年大腸内視鏡検査を
行ってみたが、
結果は正常となった方が来年に健診で
"大腸癌健診"として便潜血検査を
受ける必要はありません。
大腸癌の発生と成長スピードも
既に長年の研究と解析がされています。
全く正常な粘膜から
急激に一年程度で2-3cm大の進行癌に
成長する事はありません。
小さなポリープが発生して早くとも5,6年、
長くて10年程度経過して進行癌
に成長していきます。
今年、大腸カメラが"正常"という人が
翌年に便潜血検査を受けてしまうと痔核などが
ある方に一部陽性になってしまう方が
出てしまう可能性があります。
それを受けてまたもや大腸内視鏡を
受ける事は全く意義がありません。
毎年毎年胃カメラ、大腸カメラ、便潜血検査を
受けましょう、と恥ずかしげもなく
誘導するクリニック、健診施設は医学的判断ではなく、単に営利誘導に目的があるのです。
毎年検査が必要な方も存在し、同時に
2,3年〜5年間隔の定期的観察だけで
充分な方も存在するのです。個別対応が
最も重要です。^_^
便潜血検査の知識をしっかり持つ
消化器系専門医師たち、ナースら、含めた
完全プロ医療従事者たちは、
便潜血検査は実際には、少なくとも
私の知る、同業の一線の場の医療仲間
たちはほぼ受けていません、、
!?
なんだって!?
と思う患者さんもいるでしょう。
便潜血検査を含めて、あらゆる検査には
偽陰性、偽陽性が存在します。
進行大腸癌があるにもかかわらず、便潜血検査が陰性になる確率はなんと30%前後あるからです(偽陰性の確率)
だからこそ、プロ中のプロである
消化器系専門医師、専門ナースたちは、
2-3年間隔で最も"正診率が高い"
大腸内視鏡検査を受けます。
以前、バリウム検査を毎年受けるような
プロ消化器系専門医などは
ほぼいないが、皆、胃カメラを受ける、
というブログを投稿しました。
これと同じように、リアルプロ医師らは、
便潜血を受けずに1番正確な検査として
大腸カメラを受けていくのみとなります。
では便潜血検査は意味がないのか?
と早合点も良くありません。
災害時に何も情報ツールがない状況よりも
一、二局程度しか受信しないような小さなラジオを携帯しているほうが情報ゼロより
ややマシかもしれませんよね?
しかし現代で多数の方は、動画、静止画、
リアルタイム情報を瞬時に確認できる
スマートフォンを携帯する事にほぼ近い。
消化器系専門クリニックとして
苦痛を極限まで下げる最善の
胃、大腸内視鏡操作技術、
attitudeは地域最強を自負する当院です。
ご相談はお気軽に、^_^
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